ロストジェネレーション世代 支援プログラム 3年間で何が変わる?

ロストジェネレーション世代 支援プログラム 3年間で何が変わる? ロスジェネ世代

社会に出た時期が景気低迷時期と重なり、思いどおりの就職ができなった私たちロストジェネレーション世代。

立場が不安定な非正規雇用で経済的に苦しい思いをし続けてきました。
そして、今も先の見えない将来にたくさんの不安を抱えています。

政府が今年、ロストジェネレーション世代を「人生再設計第一世代」と名付けて支援を宣言しました。限定された3年間の支援プログラムは、私たちにどう影響するのでしょうか。

ロストジェネレーション世代 支援プログラム 3年間で何が変わる?

ロストジェネレーション世代の集中支援プログラムとは

総人口の約2割を占めているといわれるロストジェネレーション世代。就職氷河期世代とも呼ばれましたが、いまや35~44歳のアラフォー世代。現在も「非正規社員」や「引きこもり」で苦しい生活を余儀なくされている人が沢山います。

今年、このロストジェネレーション世代を対象とした「就職氷河期世代支援プログラム(3年間の集中支援プログラム)」がスタート。

7月31日には、内閣官房に「就職氷河期世代支援推進室」が設置され、政府を挙げて支援に取り組む体制が整備されたことになります。

今になってやっと。

内閣府の「就職氷河期世代支援プログラム」では、「相談、教育訓練から就職まで切れ目のない支援」を施策の方向性として、次のような人を対象者に、約100万人を支援するとされています。

■正規雇用を希望していながら不本意に非正規雇用で働く者(少なくとも50万人)

■就業を希望しながら様々な事情により求職活動をしていない長期無業者

■社会参加に向けてより丁寧な支援を必要とする者など

また、このプログラムの一環に盛り込まれているのが、厚生労働省の「厚生労働省就職氷河期世代活躍支援プラン」。

支援の対象者は多岐にわたりますが、少なくとも150万人程度が想定されており、このプランの取り組みによって、同世代の正規雇用者を30万人増やすことが支援の目指すところです。

そのほか、2018年から、就職氷河期世代を正社員として雇った企業に対する助成金制度がスタート。

具体的には、「35歳以上60歳未満で、正規雇用労働者として雇用された期間が1年以下、過去1年間に正規雇用されたことがない人」を正社員として採用した中小企業に対して、1人当たり第1期30万円(大企業は25万円)、第2期30万円(同)、合計で60万円(同50万円)を1年間支給するというもの。

この制度で私たち世代は企業側から雇用されやすくなります。
ハローワークを通して求職活動することが条件となっているので、まずは、管轄のハローワークへ問い合わせをしてみましょう。

このように、様々な施策で官民が連携しながら就職氷河期世代の自立を促す施策としているのですが、「もう手遅れ」「10年遅い」「同世代への職業訓練は無意味」という批判の声もあります。

政府が、今になって、この問題に手を打たざるを得なくなった理由は、この問題が、現在の日本の未婚率の高止まりや人口減少の原因の一つに繋がっているという事実が明らかになったからです。

このまま放置すれば、社会保障制度を圧迫しかねないリスクにもなるため、重い腰を上げたという事。
だからなおさら、私たち当事者にとっては、いまさら?と感じてしまう部分もあるのです。

でも、しかし…

政府が私たちロストジェネレーション世代の問題について、取り組み始めたこと自体は「前進」!
積極的に利用して環境を改善していきましょう!

ロスジェネ世代がこれほど苦しまされてきた理由は?

ロストジェネレーション世代の就職時の状況は、いまの就職事情とはまるっきり違います。

2000年3月の大卒求人倍率は、0.99倍と「1」を下回り、就職先が無いという状況でした。(リクルートワークス研究所)

その結果、非正規雇用を余儀なくされたり、適性な希望の就職先に就くことができなかったりして、私たちの予想もつかない負のスパイラルが始まるのです。

また、この負のスパイラルを作り出した要因は、日本の制度や仕組み、風習が大きく関わっているとも考えられています。

・日本独自の雇用システム
日本には「新卒一括採用」「年功序列」「終身雇用」がセットになった独特の雇用システムがあり、新卒で正社員に採用されないと途中からは入りにくい状況があった。

・小泉政権時代の非正規社員の規制緩
当時、派遣労働の対象が一気に広げられ、人手が必要になっても、人件費が高く簡単にはクビにできない正社員より派遣社員や契約社員を増員する傾向が広がった。
当時は「働き方の選択肢が増える」といった前向きなイメージで宣伝された。

これらに加えて、バブル崩壊によるリストラで既存の社員も自分の身を守ることに必死になり、新卒採用がほとんど行われていない事については問題意識も持たなかった点などもあり、ロストジェネレーション世代は、当時の日本社会の影響を真っ向から受けてしまったと言えます。

しかしながら、思うように就職ができずに苦しい状況下にいることは全て「自己責任」として長い間扱われてきたのも事実で、私たちはその中で何とか自分の居場所を模索し続けてきたのです。

まとめ

ロストジェネレーション世代の支援として「就職氷河期世代支援プログラム(3年間の集中支援プログラム)」でようやく私たちの不遇な状況が問題視されるようになりました。

直接的に?間接的に?今後、私たちにどのよう様に影響し、実際にどれくらい改善されていくのか。

私たちは、制度をよく知って積極的に利用していきましょう。夢の溢れた将来に変える為に。
まずは、管轄のハローワークへ問い合わせをするところからスタートです!

自分の人生を「わたしらしく」楽しく生きなければ!!